石を取る基本テクニック

石を取る基本テクニック

囲碁は陣地を多く作ることが最終目標です。

そのためには、自分の陣地を囲う石は取られないこと、逆に、相手の石を取り、陣地作りを邪魔することが大切です。

[図]

平凡に黒石Xにアタリにすると、相手の石は逃げ、なかなか取れないものです。

追いかけるよりも、逃げる方が足が速いからです。

黒石Xを白1、3、5、7、9と梯子状に連続アタリにして盤端まで追いかけて、白11で囲いきって黒石6個を取りあげます。

こんなテクニックを知っていて初めて石は取れるのです。

石を取るテクニックはたくさんあります。

テクニックを学んで石と石の戦いに勝つことは、棋力上達につながります。

アタリをかける方向

追いかけて行き止まりにブツカルように追います。

盤の端に向かって

盤の端に向かって

盤端は行き止まりという特殊性を利用します。

端へ向かって追いかけるが原則です。

2線、3線にある相手の石は特に当てはまります。

Aに打つ白はAからアタリにして、黒石を左端の方へ追います。
黒Bへ逃げても行き止まりで、それ以上は逃げられません。
Bに打つBからアタリにすると、相手の黒石とつながり逃げられます。

[問題]アタリの方向

[問題]アタリの方向
問題
白はB、Cどちらからアタリすれば黒石を取れますか?

[解答]アタリの方向

[解答]アタリの方向
解答
Cからアタリして、左端方向へ追いかけます。
黒がBへ逃げても、左端まで追い続けて、6まで行って行き止まりです。
最後に白Bで取れます。

逃げ道の乏しい方へ

逃げ道の乏しい方へ

前に打っておいた石を行き止まりに活用します。

白Bからアタリにすれば、黒Aへ逃げてもそこで行き止まりで、取ることができます。

Aからアタリにしては、Bと広いところへ逃げられます。

呼吸点を塞ぐテクニック

普通に追いかけても石はなかなか取れません。

テクニックを使えば取れる率が上がります。

代表的なワザを紹介します。

両アタリ

両アタリ

白がXに打つと、文字通りAA、BBの両方がアタリ。

片方は逃げても他方は必ず取ることができます。

こんな場面に意識的に誘導しましょう。

ウッテガエシ

ウッテガエシ

黒Bをアタリにすると、白Aにつがれてそれまでです。

ところが、黒Aに犠打を放って白Bと取らせると、白XXBの3子はアタリになっています。

そこでアタリになった白3子を、黒Aで取り返します。

こういう場面を作れるか、出会ったときに気がつくかどうかで差がつきます。

オイオトシ

オイオトシ

黒Aに白Bとツグと、白4子(XXB)はアタリになっているので、黒Cで取られます。

白XXの2子はあきらめ、Cにツグよりないのです。

黒はこの取り方に気がつくよう、目を慣らしておかねばならないのです。

ゲタ

ゲタ

アタリで追いかけると、盤端に到達する前に、相手の石ぶつかり取れません。

そういうときに有効なのが、このゲタという取り方です。

直接アタリにせず、Bにゆるめて包囲し、脱出できなくする取り方です。

黒XはAに逃げようとしても押さえられてアタリ、Cも同じくアタリにされ逃げられません。

知らなければ黒石Xはなかなか取れません。

シチョウ

シチョウ

黒石Xを1からアタリにし、3、5、7、9と梯子状にアタリにして追いかけると、盤端にブツカリ、白11で取れます。

この追いかけ方で取るのをシチョウといいます。

シチョウ知らずに碁打つなという囲碁格言があるほどで、実戦でもよく現れ、ピンチを救ってくれるありがたい取り方です。

知らなければ黒石Xはなかなか取れません。

自分を強く・相手を弱く

石と石の戦いに勝つためには、2つの作戦が必要です。

  1. 自分の石は呼吸点を増やして強くする
  2. 相手の石は呼吸点を多くさせない

ツグ (1)

ツグ1

黒石ABはヨコにつながっていませんが、黒白交互に打つのだから、今は切られる心配はほとんどありません。

ABにはそれぞれ呼吸点が4つずつあり、近くに白石もいないので、囲まれて取られる心配もありません。

ツグ (2)

ツグ2

こちらはどうでしょうか。

つながっていないXの近くに白石CDがきています。

放置して白にXを打たれると、黒は切られます。

白3子の呼吸点は6つになるのに対し、黒Aの呼吸点は3つ、黒Bの呼吸点は3つと、分断されてしまいます。

すると、黒ABの呼吸点が白CXDより相対的に少なくなり、弱くなります。

ここでは黒はXに打ち、黒ABをツギましょう。

ツグ (3)

ツグ3

黒はXに打ち、AXBと3つがつながって、呼吸点を6つに増やしました。

相手の石の呼吸点より自分の石の呼吸点を多くし、石を相対的に強くすることは、地を多く作るための戦いに欠かせません。

先手を取る

勝つためには先手を取りましょう。

先に気づくことも大切です。

先手を取る

白の2子も黒の2子も、呼吸点が2個残っている状態です。

黒の手番なら黒Bと打って白2子を先にアタリにします。
白の手番なら逆に白Aで黒2子をアタリにします。

先手必勝です。

気づいた側の大逆転です。

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